篠笛の選び方【初心者完全版】調子・素材・価格帯まで解説

2026年5月6日

篠笛の選び方【初心者完全版】調子・素材・価格帯まで解説

どうも、新潟・小千谷のみんふう楽器店です。

篠笛を買いたいと思ったとき、最初の壁になるのが「どれを選べばいいか、さっぱりわからない」という問題。調子って何本がいいの?竹とプラスチック、どっちがいいの?値段の差はなに?……疑問が連鎖するやつです。

篠笛の選び方をひとことで言えば、まず「何のために吹くか」で大枠を決め、そのうえで調子・素材・価格帯を絞っていくのがコツ。初心者なら唄用(ドレミ調)の七本調子か八本調子を手始めの一管にするのが、なかなか定番のルートです。

この記事では、そのあたりをまるごと整理していきます。

そもそも篠笛ってどんな楽器?

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篠笛は篠竹(雌竹)に歌口と指孔を開け、漆ないしは合成樹脂を管の内面に塗った簡素な構造の横笛で、尺八やフルートと同じく「エアリード楽器」に分類される。音域はフルートの3オクターブに対し、篠笛は2オクターブ半ほど。

昔から日本各地の祭り、神楽、獅子舞などの民俗芸能をはじめ、民謡、長唄など様々な音楽に使われてきた、日本人にとって一番身近なメロディー楽器で、時代劇のあのヒィャラヒィャラという音色、と言うとたいていの人が「あーアレか」と頷いてくれます。シンプルな構造のわりに奥が深い。それが篠笛の魅力のひとつです。

ちなみに篠笛は「一本」じゃなく「一管(いっかん)」と数えます。なぜかというと、同じ楽器でも調子ごとに管の長さが違うから。調子の数字が小さくなると太く長い笛で全体の音高が低くなり、逆に数字が大きくなると細く短い笛で音高が高くなる。プロの方がずらっと十数管並べている光景、楽器としての個性がよく出ていますね。

唄用と古典調(お囃子用)、どっちを選ぶ?

篠笛を選ぶ最初の分岐点は、「唄用」か「古典調(お囃子用)」かです。

古典調の篠笛は均整のとれた指孔配置の篠笛で、古典的な雅楽の横笛の音階に準じる。自由な指運びが可能で、大きな音、歯切れの良い華やかな指打ち音が特徴だ。祭囃子をはじめ、独奏や太鼓との共演に適している。一方、邦楽調(唄用)の篠笛は古典調の魅力を保ちながら、指孔の配置と大きさに微調整を施して調音した篠笛で、三味線や箏など絃楽器との演奏、わらべ歌や民謡、長唄など歌物の表現に適しており、古典調に比べて各音の繋がりはなめらかだ。

簡単にまとめると、地域のお祭りや囃子連に参加するなら古典調民謡・長唄・ポップスなど幅広い曲を吹きたいなら唄用(ドレミ調)という選び方になります。

ただし、お祭などで吹く場合は地域によって決まりがあるので、これから始められる方は先生や先輩に聞いてから購入するのが鉄則。地域の囃子連に入るなら、先に「うちは何本調子?」と確認してから買う方が無難です。

趣味として気軽に始めたい方は、迷わず唄用(ドレミ調)から入るのが定番のルートです。

何本調子を選べばいい?調子の基本をおさえよう

唄用に決めた次の悩みが「何本調子にするか」。調子とは音の高さのことで、篠笛の頭の部分に数字が書いてあり、低い調子の一本調子から、最も高い十二本調子まである。低音のものほど長く、高音のものほど短くなる。

八本調子がおよそC管、七本調子がB管、六本調子がBb管にあたる。つまり、調子が1本下がると、音の高さが半音下がる。フルート経験者や音楽の心得がある方には「移調楽器的な感覚ね」と言えばなんとなく伝わるかもしれません。

初心者にとっての実用的な指針はこうです。

七本調子(B管)音の出しやすさ、指の押さえやすさ、音色の豊かさなど総合的に判断すると、まずは六本調子と八本調子の間に位置する七本調子の篠笛がおすすめ。様々な日本の曲をバランス良く楽しめる、まさに「ど真ん中」の一管です。

八本調子(C管)C調(ドから始まる音階)はピアノやリコーダーなど多くの楽器で基準となる音階で、音楽経験がある方にとって一番理解しやすい調子。洋楽器とも合わせやすいのは八本調子。ピアノや他の楽器とのアンサンブルを楽しみたい方にもぴったりです。

六本調子(Bb管)六本調子の篠笛は表現力が豊かだが、初心者にとっては少し太くて長く指が押さえにくいと感じるかもしれない。慣れてきたら目指したい一管、という位置づけで考えると良いでしょう。

店でいろいろ見ていると、手の小さい方や女性・お子さんには八本調子が持ちやすくて反応も良く、大人男性には七本調子を選ぶ方が多い印象です。実際に手に取ってみると、その感覚の違いがよくわかります。

竹製とプラスチック製、何が違う?

篠笛の選び方【初心者完全版】調子・素材・価格帯まで解説

素材の選択肢は大きく竹製プラスチック製(プラ管)の2つ。それぞれに特徴があります。

一般的に、竹管は音色と演奏感に優れるが調律が安定せず、プラスチック・木・合竹は比較的調律が安定しているが、竹とは音色・演奏感が異なるとも言われている。

プラスチック製のメリットは丈夫で価格が安いこと。プラスチックは竹のように環境の変化で自然に割れることもなく、演奏中に落としても傷がつくくらいで困らない。汚れたら水洗いもできるので竹笛より衛生的で、価格は1,500円から2,500円あれば1管買うことができる。初めて吹く練習段階として割り切るなら選択肢のひとつです。

ただ竹製派の声も根強い。竹製の方がプラスチック製より音が出しやすいと言われており、篠笛独自の音色は竹製でしか味わえない。またプラスチック製ではあるが、中級者・上級者が吹くと竹の笛との違いがわからない音色でよく響くという意見もあって、一概にどちらが優劣とは言いにくいところです。

みんふう楽器店の個人的な見解としては、「最初の一管」なら入門用の竹製がおすすめ。篠笛の音の出し方は息の角度と速さの繊細なコントロールが必要で、そのコツをつかむ過程で竹の温かみのある音色を感じながら練習できるのは、モチベーションにも直結します(プラ管で練習して竹管に持ち替えると、感覚がけっこう変わることもあるので)。

価格帯の目安。どのくらい出せばいい?

篠笛の価格はピンキリで、初めてだと「どのランクを買えばいいのか」が迷いどころです。だいたいこんな感じで考えておくと整理しやすいです。

プラスチック製:1,500〜3,000円前後
気軽に試したい、とにかく安く始めたいという方向け。ただし竹の音色とは別物と考えておきましょう。

入門用竹製:5,000〜15,000円前後
5千円くらいで竹の篠笛が購入でき、1万円くらいになると女竹を使った篠笛が購入できるが、調律が甘かったり仕上げが簡単なものだったりする。最初の一管として試す分には十分です。

中級〜本格竹製:15,000〜40,000円前後
六本調子・七本調子・八本調子であれば、おおむね2万円から4万円前後の笛が標準で、これはプロの奏者でも使用している笛の価格帯。続けることを前提に、最初からここに投資する方も実は少なくありません。意外(?)とお祭りでこの辺を使っているところが多かったりします。

上位・工芸品クラス:5万円〜
3万円くらいになると調律がビシッと決まってきたり、漆で塗装されていたりする。これを超えてくると、工芸品的付加価値がついてくる。希少な煤竹を使った最高級品は10万円以上することも。

また、値段によって笛の善し悪しを判断することはできず、値段の安い笛であっても良い音が鳴るものもある。実際に吹き比べてみるのが一番。「高ければいい」とは限らないのが、篠笛の面白いところでもあります(そして沼にはまるところでもあります)。

篠笛を選ぶときの最終チェックポイント

ここまで整理してきたポイントを最後にまとめておきます。

まず目的を決めること。お祭り・囃子参加なら古典調、民謡・ポップス・趣味演奏なら唄用(ドレミ調)。次に調子を選ぶ。迷ったら七本調子か八本調子。手が小さい方・子ども・女性は八本調子が持ちやすいです。そして素材と予算を合わせる。続ける意志が固まっているなら最初から2〜3万円台の竹製を選ぶのもありです。

篠笛は天然の竹を素材として一本一本手作りのため、音色や吹き心地に個性がある。可能であれば複数の笛を試し吹きのうえ、好みの笛を選ぶようにしよう。

みんふう楽器店では篠笛の取り扱いもしておりますので、「実際に吹き比べてみたい」「どれが合ってるか相談したい」という方はお気軽にご来店・お問い合わせください。新潟・小千谷まで足を運んでくださる方も、おぢやまつりの季節に合わせていらっしゃる方も、ぜひどうぞ。

古典調の篠笛であれば、みんふう楽器店ネット本店でも販売しておりますので、一度ご覧ください。

三味線選びで悩んでいる方は津軽・長唄・民謡、三味線の種類と正しい選び方もあわせてどうぞ。和楽器選びは、ひとつひとつ丁寧に向き合うのが一番です。

まとめ

  • 篠笛は唄用(ドレミ調)古典調(お囃子用)の2種類が基本。趣味なら唄用から始めると曲の幅が広がる
  • 初心者の最初の一管は七本調子か八本調子がバランスよく吹きやすい。手が小さい方には八本調子がおすすめ
  • 素材は竹製が篠笛本来の音色に近く、初心者にも扱いやすい入門用竹製(5,000〜10,000円)から始めやすい
  • 価格帯は1.5〜4万円台の竹製がプロも使う標準域。最初からここを選ぶのも決して「やりすぎ」ではない
  • 古典調でお囃子に参加するなら、地域や囃子連の決まりを先輩に確認してから購入するのが鉄則

よくある質問


篠笛は初心者でも音が出せますか?

個人差はありますが、篠笛は横笛のなかでは比較的音が出しやすい楽器です。歌口への息の角度と速さを少し試行錯誤すれば、最初の音はすぐに出せる方がほとんど。「音を出すまでが大変」と言われることもありますが、根気よく続ければ必ず出ます。

篠笛は何本調子を揃えればいいですか?

最初は一管でOKです。七本調子か八本調子から始めて、演奏したい曲が増えてきたら少しずつ揃えていくのが現実的です。三味線や箏との合奏が増えると、三本調子〜八本調子くらいまで必要になることもありますが、まずは一管から。

竹製の篠笛、割れないか心配です。

竹製は乾燥や急な温度変化に注意が必要です。直射日光・車中への放置・エアコンの直風などは避け、使用後は布袋に入れて保管を。ひびが入りやすいのは事実ですが、適切に扱えば長く使えます。

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